いびきの治療の基礎知識

芸人おにぎりのいびき

テレビ番組「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!」で、おにぎり、という芸人が出演し一晩眠っている様子が放送されたことがあります。
眠ってすぐは、それほどうるさくはありませんが、時間が経過するにつれ無呼吸やその後の大きな音のいびき、寝言のような声、そして寝苦しそうに様々に変化する寝姿が映し出されます。
彼のいびきの音は94デシベルで、その音の大きさは電車のガード下に匹敵するほどです。
番組の出演者もその音の大きさや寝ている様子を見て一様に驚いていました。

彼の眠っている様子が紹介された後、その様子を収めたビデオを見た専門家は肥満による無呼吸状態であると言いました。
将来、心臓や脳、血管に負担がかかり、動脈硬化や心筋梗塞・脳梗塞を引き起こす可能性があります。
病院に行く必要があるとも言われています。

彼は、自分の寝姿を見て驚いていましたが、実際自分がどのように眠っているのかはわからないものです。
おそらく自分のいびきの大きさや無呼吸の状態に驚いたはずです。
電車のガード下の騒音並みのいびきというのも驚きですね。

このようないびきは周辺に迷惑をかけるだけでなく、自分自身の身体に大きな負担をかけています。
将来もっと大きな病気になる可能性があるのです。
いびきが気になる人は、病院で適切な治療を受け、身体の健康を取り戻しましょう。
家族や身近な人に心配をかけないためにも、たかがいびきと思わずにきちんと治療を受けましょう。

いびきとアルコール

普段いびきをかかないような人でも、お酒を飲んで寝るといびきをかくことがあります。
アルコールを摂取するといびきをかきやすくなるのは、なぜでしょうか?

アルコールがいびきの原因となる理由の1つは、アルコールが筋肉を緩めるためです。
筋肉が弛緩し、舌根や軟口蓋が喉の下の方へ落ち込んで上気道を塞ぎやすくなります。
そのため気道が狭くなって喉の粘膜を振動させて、いびきが起こりやすくなります。

夜眠れない、ストレスがある、などの理由でお酒を飲んでから寝る人がいますが、普段からいびきをかく人ならば、より一層いびきをかきやすくなってしまいます。
一層気道が狭くなって、睡眠時無呼吸症候群の人ならば症状を悪化させてしまいます。

このようにアルコールはいびきの原因の1つなので、いびきが気になる人は寝る前のアルコールや深酒を控えるといびきが治る場合もあるのです。

また、飲酒はおつまみなど食事の量を増やし、肥満の原因にもつながります。
太ることでいびきを助長させてしまいます。
会社の接待や付き合いで、お酒を飲む機会が多い人は飲みすぎ・食べすぎに充分注意してください。
いびきだけでなく、他の生活習慣病も予防するために大切なことです。

病院によっては、いびきの治療だけでなく肥満やアルコールに関しても相談にのる場合もあります。
いびきの治療は単にいびきの改善だけではなく生活全般に関しても見直して、節制した健康的な毎日を過ごすことも大切です。

CPAP利用と肥満解消

睡眠時無呼吸症候群にはCPAPの使用は大きな効果をもたらします。
しかし、このCPAPはあくまで呼吸をスムーズに行うためのもので根本的な原因を治療するものではありません。
特に肥満が原因の人は、喉に脂肪がついて気道が狭くなっているので体重を落とさなければ睡眠時無呼吸症候群が治ることはありません。

肥満の解消には運動が不可欠です。
しかし肥満の人が睡眠時無呼吸症候群になると睡眠が充分取れなくて日中も疲れが残り、体を動かすのが辛くなります。
ところが、CPAPを装着するとぐっすり眠れるようになるので、日中に体を動かしても疲れなくなります。
CPAPでの治療は、肥満解消のための適切な運動を促すのです。
つまりCPAPの治療は、ダイエットの効果も大きいと言えます。
毎日の運動が難しいという人でも、通勤時に一駅前で降りて会社まで歩く、エスカレーターやエレベーターを使用しないで階段を利用するなど日常の動作で運動量を増やす工夫を取り入れましょう。

日中生き生きと活動して、継続的に運動も行うことで肥満だけでなくいびきも解消して、CPAPもはずすことも可能です。
継続的な運動の他、食生活を見直して体重の管理を続けてください。
野菜をしっかり取る、食事を外食やコンビニに頼らない、間食を控えめにする、など日頃の食生活に気をつけましょう。

肥満はいびきや睡眠時無呼吸症候群の原因となるだけではありません。
脳梗塞や高血圧、糖尿病など生活習慣病を引き起こす原因となるので、肥満解消はこれから元気に暮らしていくためにとても大切なことなのです。

CPAP装着の注意点

CPAPは装着することによって睡眠時無呼吸症候群を持つ人には、いびきが軽減する、ぐっすり眠れるといった大きな効果がある治療の方法です。
また、呼吸が楽になることで、これまで気道が狭くて心臓に負担がかかっていたために起こっていた高血圧などの症状も軽くなることが期待できます。
このようにCPAPは、いびきを治すだけでなく体全体の機能を良好にする治療の方法です。

しかしCPAPは酸素マスクのような装置を毎晩取り付けて寝なければならないので、毎日のこととなると面倒になって装着しなくなってしまう人もいます。
疲れて装着しないまま眠ってしまう場合もあります。
酸素マスクのような装置を付けるので圧迫に違和感を覚えたり、マスクの跡が残る人もいます。
また、ヘッドギアがしっかり固定しておかないと空気が抜けて効果がなくなります。
使い始めてからもいびきや無呼吸が収まらない場合には、再度CPAPの調整が必要となります。

寝ている間にCPAPを無意識にはずしてしまうこともあります。
そのような場合も、必ず医師に相談して対応を考えてください。

CPAPは鼻から空気を送り出す装置ですので、寝ている間に大量の空気を吸い込んでおなかが張ったり、げっぷがでる人もいます。
これは慣れも関係しますが、空気を送り出す圧力の調整も行えますので、医師と相談してください。

CPAPは長期間使用するものです。
しかし、CPAPを使用しながら肥満を解消することでCPAPの装着をなくすこともできます。
CPAPの装着を勝手に止めてしまうと、収まった高血圧などの症状がまた出てくることになります。
医師と相談しながらCPAPを使用して快適な睡眠と生活を得る努力が必要なのです。

CPAP(シーパップ)療法

現在、大きないびきや無呼吸が特徴である睡眠時無呼吸症候群の治療において世界的に広く利用されているのが、CPAP(シーパップ=軽鼻的持続陽圧呼吸療法装置)です。
CPAPでの治療は、中度から重度の睡眠時無呼吸症候群の患者に大きな効果があります。
このCPAPでの治療では手術や薬は必要ありません。
酸素マスクのような機器を装着するだけです。
CPAPを使って鼻から室内の空気を送り込み、その空気の圧力によって気道を広げることで呼吸を楽にします。
気道を広げることで空気の通りがスムーズになり、ぐっすりと眠ることができて、いびきも軽減されます。

CPAPを使用するためには、鼻から送り込む空気の量の調節のためCPAPを使用して再度終夜睡眠ポリグラフィー(PSG検査)を受ける必要があります。
CPAP療法は睡眠時無呼吸症候群の中度以上の人には保険が適用されます。

CPAPを付けて眠ると呼吸が楽になるため、いびきが減るだけではなく、ぐっすり眠れるので日中眠くなることがなくなり事故の危険も防止できます。
そして深く眠れるので朝起きても疲れが残らなくなり、生き生きと毎日を送ることができます。
無呼吸や低呼吸が原因で起こっていた高血圧も収まる場合もあります。

毎日の装着がわずらわしいと思う人もいますが、ぐっすりと眠ることは自分自身のためだけでなく、家族のためでもあります。
装着を止めてしまうと、睡眠時無呼吸症候群の症状が戻ってしまいます。
旅行先にも持ち運んで快適な睡眠をとるように心がけてください。
この治療を続けながら、ダイエットして気道の脂肪を落として気道を広げるなどの努力を行うことも必要です。

いびきと咽喉の手術

いびきの原因は、肥満により喉に付いた脂肪が原因である場合や、鼻炎などの鼻の病気など様々な原因で起こります。
この他、喉の中のアデノイドなどが原因でいびきが起こる場合があります。
いびきの治療の方法の1つに、咽喉の手術を行う場合があります。
ただし、再発や癒着の可能性もありますので手術に際しては医師との充分な相談が必要です。

・UPPP (uvulopalatopharyngoplasty)
喉の中を塞いで空気の通りを悪くしている扁桃腺や軟口蓋等を切り取る手術です。

・LAUP (laser assisted uvulopalatoplasty )
レーザーで部分的に扁桃腺や軟口蓋等を切り取る、いびきに有効な手術方法です。

・アデノイド切除術
赤ちゃんや幼児のアデノイドが肥大して気道を塞ぐと、いびきや睡眠時無呼吸症候群の原因となります。
腫れが大きい場合、呼吸困難になる恐れもあります。
このような場合には、手術によってアデノイドを切除します。
費用は3割負担で5万円くらいが多いようです。
ただし、児童への医療費補助を行っている自治体も多いので制度を活用すると自己負担がとても少なくなります。

・扁桃腺摘出術
扁桃腺が腫れていびきや睡眠時無呼吸症候群の原因となっている場合や、何度も扁桃腺が腫れて高熱を出すような場合に扁桃腺を摘出する場合があります。
全身麻酔で行います。
麻酔が切れた後は、喉の痛みが続き、しばらくは飲み込むのも痛い状態も続きます。
費用が3割負担でも10〜20万円くらいかかりますので、入院前に高額療養費の限度額適用認定証を用意しておき、入院時にそれを提出して限度額の支払いが済むように準備しておくと良いでしょう。

喉の病気の治療として手術を行う場合には、充分に医師と相談して決定してください。

いびきと鼻炎の手術

アレルギー鼻炎など鼻の病気が原因でいびきをかく人がいます。
鼻の病気は鼻づまりでいびきの原因になるだけでなく、睡眠時無呼吸症候群を引き起こしたり、鼻炎を悪化させて蓄膿症になる、など別の病気の原因もなります。
服薬や点鼻薬などによってしっかりと治療することが大切です。

しかし、薬だけでは鼻の病気が完治しない場合もあります。
長年の鼻炎によって鼻の粘膜が腫れて分厚くなってしまった場合に鼻腔粘膜を焼灼(しょうしゃく=病気になっている組織を焼いて治療すること)して腫れを小さくすることもあります。
鼻腔粘膜を焼灼するには次のような方法があります。

・トリクロール酢酸(三塩化酢酸)による手術
トリクロール酢酸を薄めたものを鼻腔粘膜に塗ります。
これによって、粘膜が変形してアレルギー反応を起こしにくくします。

・レーザー手術
内視鏡とモニターを使ってレーザーを鼻腔粘膜に照射します。
アレルギー原を捕まえる粘膜をレーザーによって収縮させて、アレルギーを抑え鼻炎を解消させます。

・高周波凝固術
高周波メスを使って鼻腔粘膜を凝固させることによって、粘膜の腫れを少なくして粘膜を固くします。
これにより、花粉や埃が粘膜内に入る量が少なくなり、鼻水やくしゃみ、鼻づまりを軽くできます。
ただし、全ての人に効果があるというわけでなく、アレルギーが再発する可能性もあります。

鼻の病気があって、それがいびきの原因となっている人はその原因である病気をしっかりと治療することが大切です。
手術もそのいびき解消の方法の1つです。
治療方法の選択肢としてこのような方法もあるということを知っておいてください。

いびきとマウスピース

睡眠時無呼吸症候群と診断された場合、状態によって治療方法が違います。
睡眠時無呼吸症候群と診断されても、適切な治療を受ければ治る病気ですので、怖がる心配はありません。

軽度の無呼吸の場合や、いびきを止めたいだけという場合に用いられるのがマウスピースです。
治療にマウスピースが必要と医師に診断された場合には、保険が適用されます。
費用は保険適用で1万円前後です。
歯科でその人に顎の骨格に合ったマウスピースを作ってもらいます。
鼻に疾患がある、歯が抜けている場合には、マウスピース装着はできません。
マウスピースを装着する場合には、まず鼻の疾患を治す必要があります。
肥満が原因の人や顎関節症の人、骨格が変化する成長期の子どもも利用できません。

マウスピースを付けると前顎が数ミリ前に出て、咽頭部を広げます。
舌が下に落ちても、気道が塞がりません。
そのため、空気の通りがよくなって呼吸が楽になり、いびきも改善される仕組みです。

また、マウスピースは口を開けて眠る癖のある人が使うと口呼吸を直すことができます。

慣れない間はマウスピースを付けて眠ると違和感があると思いますが、時間とともに慣れていきます。
マウスピースをつけて呼吸が楽になると、ぐっすり眠れるようになり体調も良くなります。
これまで、どれだけいびきや無呼吸で体に負担をかけていたかがよくわかるはずです。

いびきが気になる人は、怖がらずに適切な治療を受けて健康な毎日を送るよう心がけてください。

終夜睡眠ポリグラフィーとは

いびきがうるさいだけでなく、眠っている時に何度も無呼吸になる場合、睡眠時無呼吸症候群が疑われます。
睡眠時無呼吸症候群であるかどうか、他の睡眠障害が有無などを調べるための検査が終夜睡眠ポリグラフィーです。

この検査は一晩中の睡眠中の状態を測定するので、病院で1泊の入院が必要です。
入院といっても、病院に来て夜眠るだけですので決して怖い検査ではありません。

検査で測定するのは、脳波、心電図、眼球運動、口・鼻の呼吸の気流、胸の動き、脚の動き、いびきの有無・程度、動脈血中の酸素飽和度、寝ている向き、などです。
これらを測定して、眠りの質や無呼吸・低呼吸状態の有無、血中の酸素濃度の状態を知り、他の睡眠障害の可能性の有無などがわかります。

測定には検査用のセンサーを付けて眠ります。
まぶた、鼻、顎、胸、脚などにセンサーを、口元にはマイクを取り付けて普段と同じように眠るだけです。
眠っている間は医師などが観察していますが、検査される本人はただ眠っていれば良いのです。

夕方入院して翌朝退院できるので、仕事を持っている人も安心して検査できます。
夜間の仕事に従事している人はその旨を伝えると対処してもらえる病院もあります。

終夜睡眠ポリグラフィーの費用は病院によって違いますが、3割負担で25,000円前後くらいです。
個室利用の場合は部屋の利用料が別にかかる場合もありますので、費用は前もって尋ねておきましょう。

この検査によってどのような治療が必要なのかがわかります。
検査によって、治療方針が決定したら、しっかり治療して生活や睡眠を改善させるよう努力しましょう。

睡眠時無呼吸症候群の検査

いびきをかくだけでなく、無呼吸を伴う場合は日中眠くなって事故を起こす危険性があるなど、早急に改善が必要な状態です。
眠っている時に何度も呼吸が止まってしまう人は適切な治療のため睡眠中の状態をできるだけ正確に把握する必要があります。

診察の際は、いびきを録音したものや睡眠中の状態を撮影したビデオがあるとより正確な状態が医師に伝わります。
もし、一緒に暮らしている家族が診察時に同行できるようでしたら、家族が眠っている状態を具体的に説明することができます。

睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合には、睡眠時の状態をより正確に知るための検査を行います。

睡眠状態を測定するには、簡易終夜睡眠ポリグラフ検査と終夜睡眠ポリグラフィーがあります。
簡易終夜睡眠ポリグラフ検査は自宅で行えます。
機器を借りて自宅で装着して眠り、それを病院に返却して検査を行います。
この検査の数値によっては、精密検査を実施したり、すぐに治療を行います。

終夜睡眠ポリグラフィーは1泊の入院が必要な精密検査です。
体に様々なセンサーをつけて病院で眠り、睡眠中の呼吸・身体の状態のデータを集めます。
この検査によって睡眠時無呼吸症候群かどうか、睡眠時無呼吸症候群以外の疾患があるかを判断します。
睡眠時無呼吸症候群以外の疾患には、むずむず足症候群や上気道呼吸抵抗症候群などの睡眠障害があります。
睡眠時無呼吸症候群であっても、ひとりひとり状態によって治療の選択肢が変わってきます。
そのためには精密な検査が必要なのです。

いびきの検査・診断方法

いびきをかく原因には肥満やアデノイドなど様々な原因があります。
この原因をつきとめることが、いびきの治療を開始するために必要です。
いびきの治療の前にはどのような検査・診断が行われるのでしょうか。

いびきの原因は様々のものがあっても、いびきの音となる原因は上気道が狭くなることです。
そのため、上気道がどのような状態になっているのかを診察しなければなりません。
この上気道の状態によって、内科や歯科、耳鼻咽喉科など、どの科の治療が必要なのかが判断されます。
例えば、アデノイドが腫れているのか、扁桃腺が腫れているのか、舌が大きいのか、太っているからなのか、など違いによって治療も違ってくるのです。

いびきの検査・診断には下記のようなものがあります。

・ファイバー検査
上気道がどれだけ塞がっているのかを視診やファイバースコープで検査します。
鼻からファイバーを通して上気道の疾患の有無を検査します。

・画像診断
頭部X線(セファログラフィー)、CT、MRIなどの画像を用いて診断します。
上下の顎の位置など、顔や喉の骨格の様子がよくわかります。

・鼻腔通気度検査
鼻づまりの度合いを調べます。

・肥満度チェック
肥満が疑われる場合には、BMIや体脂肪率の測定が行われます。

・睡眠検査
自宅で検査機器を用いて簡易検査を行います。

・終夜睡眠ポリグラフィー
睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合や他の睡眠障害がある場合に行われます。
一晩入院して検査機器をつけたまま眠り、そのデータを取って睡眠状態を測定します。

いびきと睡眠

人間の睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があります。
レム睡眠は身体は睡眠状態にありながら脳は起きている時のように働いています。
レム睡眠は浅い眠りで、夢を見るのはこのレム睡眠中であると言われています。
眠ってまぶたが閉じていても、眼球が細かく動いています。
すばやい眼球の動き=Rapid Eyes Movementの頭文字を取ってレム(REM)睡眠と呼ばれています。

一方、ノンレム睡眠は大脳も休んでいる状態で、眼球も動きません。
ノンレム睡眠は深い眠りの状態です。
眠りから2〜3時間後にレム睡眠からノンレム睡眠になり、その後レム睡眠・ノンレム睡眠を繰り返します。
起床が近づくにつれレム睡眠の時間が長くなって、朝目覚めます。
このレム睡眠とノンレム睡眠のリズムがうまく取れたときに体も脳も疲れが取れて、日中生き生きと活動できるのです。

しかし、いびきを毎日かくような睡眠だと、このリズムがうまく取れません。
ノンレム睡眠状態にならないまま、朝を迎えることもあります。
このような睡眠状態では脳が起きたままですので、疲れがとれないだけでなく、日中イライラしたり眠気に襲われることになるのです。
慢性のいびきをかく人は、脳や体を酷使しています。
眠気が取れないことで事故を起こしてしまう可能性もあります。
すぐに病院で診察を受け、適切な治療を受けましょう。
いびきで病院に行くのは恥ずかしいかもしれませんが、大切な家族やあなた自身を守るために治療を受けていびきを治すことが大切です。

いびきは何科で診察?

いびきは気道が狭くなることが原因で空気の通りが悪くなることから起こります。
上気道が狭くなったり、ぴったり塞がってしまうと睡眠時無呼吸症候群を引き起こします。
このような状態になると、酸素不足になることや正常な呼吸ができないことから身体に大きな影響を与えます。
慢性的ないびきは病院での詳しい診察や治療が必要です。

さて、慢性的ないびきを治療する際には何科で診察を受けるのが良いでしょうか?

いびきの治療は、その原因によって多岐に渡ります。
口腔外科や耳鼻咽喉科、内科、歯科、神経科、呼吸器科など、いびきの原因によって治療を受ける科が異なります。
顎の骨格が小さい場合ならば、口腔外科や歯科での診察が必要です。
肥満が原因ならば、内科的な診察はかかせません。
また、慢性的ないびきの原因は1つだけとは限りません。
いびきによって身体に影響が及んでいる場合には、その治療も必要となります。
そのため、いびきの治療には複合的な診察・治療が必要となります。

いびきの原因がはっきりわからない場合には、まず耳鼻咽喉科の診察をお勧めします。
耳鼻咽喉科の中でも、睡眠時無呼吸症候群の治療を行っている病院が良いでしょう。
病院によっては、睡眠外来や睡眠無呼吸外来などもあります。
また、いびき外来がある病院もあるので、専門的な診療を受けられる病院を選択してください。
いびきには怖い検査はありません。
いびきが気になったら、安心して診察を受けてください。

周りにいる人がいびきに気付いたら

家族や友人などがいびきをかいて、そのいびきがうるさくて眠れなかった、という経験を持つ方も多いでしょう。
いびきをかいて眠っているから、眠っている本人はきっとぐっすり眠っているんだろうと思っていませんか?
そう思うならば、それは間違いです。
上気道が狭くなって呼吸がし辛い状況ですので、眠っている本人もぐっすりと眠っていません。
そのうるさいいびきが何日も続いている、無呼吸を伴ったいびきである場合には眠っている当人には身体に大きな負担がかかっているのです。
いびきをかいている本人は、眠っているのでいびきをかいていることも無呼吸であることもわかりません。
いびきをかかないようにするためには、いびきをかく人の周辺にいる人がそのいびきに気付かせることが大切なのです。

いびきの治療は、本人にとっても周辺にいる人にも安眠をもたらします。
それは単にいびきをかかなくなる、だけではありません。
いびきの原因になる肥満などを解消することは、生活習慣病も防止できます。
無呼吸が続くと日中に眠くなって事故を起こす可能性があるので、いびきの治療によってその事故が防げます。
いびきの治療は家族の生活を守り、社会生活を過ごす上で大切なのです。

いびきの治療のために病院に行くのは抵抗があるかもしれません。
しかし、たかがいびきと考えては危険です。
実際に睡眠時無呼吸症候群によって交通事故などが起きていることはニュースなどの放送で見聞きしていることでしょう。
周りにいる人がいびきを指摘して、病院での治療を勧めることは決して間違っていないのです。

いびきと高血圧

いびきをかく人は、眠っている時に上気道が狭くなっています。
空気の通りが悪くなっているので、血液に酸素が不足します。
この血液の酸素不足を補うために、血圧が高くなります。
通常は眠っている時には血圧は起きている時に比べて低くなっています。
ところが、上気道の狭さによって慢性のいびきをかくような人は、酸素不足のため眠っている最中も血圧は下がらずに高いままです。
高血圧が続くと心筋梗塞など恐ろしい病気を引き起こします。

高血圧の原因には肥満など様々な要素がありますが、もしかしたら上気道が狭くなっているためかもしれません。
それがいびきと高血圧を引き起こしている可能性があるのです。
空気の流れをよくすることでいびきを治療すると、それが原因の場合は高血圧も治る可能性があるのです。
高血圧の原因、もしかしたらそれは睡眠時無呼吸症候群になっているからかもしれないのです。
このように、たかがいびきとは言えないということがおわかりいただけたでしょうか?

慢性のいびきを放置しておくと、慢性の高血圧状態を続けている可能性もあるのです。
睡眠時無呼吸症候群での高血圧は降圧剤では血圧はさがりにくいので、薬で血圧を下げるのも難しい状態です。
しかし、薬で下がらない血圧もいびきを治療することで、血圧が下がる場合があります。
慢性のいびきに気付いたら、その疑いがあるのなら、適切な治療を受けていびきを解消して健康な体と生活を手に入れてください。

いびきと生活習慣改善

うるさいいびきや睡眠時無呼吸症候群での無呼吸は、深刻な影響を体に与えます。
そのような場合には専門医の診察を受けて、適切な治療を受けることが大切です。
しかし、軽いいびきの場合には生活を改善することで、いびきを予防・直すことができます。

肥満が原因の場合は、減量することでいびきを防止できます。
喉・首周りの脂肪をおとすことで、空気の通り道を広くして、いびきを防ぎます。
いびきだけでなく、減量によって生活習慣病も防ぐことができますね。

アルコールを控えることもいびきを予防します。
アルコールによって、筋力が緩み上気道が狭くなっていびきをかくと考えられています。
健康のためにもアルコールの摂取はほどほどにしましょう。
喫煙は喉の炎症を引き起こしていびきの原因になるので、禁煙することもいびき防止になります。

また、空気の通り道を確保するために仰向けではなく、横向きに寝る方法もあります。
高い枕では横向きに寝るのは難しいので、枕を低くして横向きに寝てください。
いびき対策グッズとしてノーズ・クリップやいびき軽減用の枕なども販売されているので、自分に合ったものを選んで使用するのも良いでしょう。
口呼吸をせずに、鼻呼吸へと導くマウステープも販売されています。

このような生活習慣の改善を行ってもいびきが治らない場合には、病院に行って治療を受けてください。
いびきは恐ろしい病気の引き金かもしれません。
たかがいびきだと思って放っておかず、きちんと診断を受けましょう。

いびきとアデノイド(咽頭扁桃)

大人だけでなく、いびきをかく赤ちゃんや子どももいます。
この場合の原因の1つに、アデノイド(咽頭扁桃)の腫れがあります。
アデノイドは、口蓋垂(=のどちんこ)の裏にあるリンパ組織です。
アデノイドは3〜5歳頃に最大の大きさとなります。
そして10歳をすぎた頃から小さくなりはじめます。
このようにアデノイドは通常、子どもの頃は大きい組織です。
しかし、このアデノイドが肥大している場合に、喉、鼻や耳などに慢性の炎症を起こす場合があります。

アデノイドがある場所は鼻で呼吸する際の空気の通り道となっています。
アデノイドが肥大すると、鼻で呼吸する際の空気の通りが悪くなり、口呼吸をせざるを得ません。
これが原因でいびきをかいたり、睡眠時無呼吸症候群にもなるのです。

アデノイドのある場所には、耳と鼻をつなぐ耳管もあります。
このために、アデノイドが肥大すると耳管を圧迫し、中耳炎や難聴の原因にもなります。

アデノイドの肥大の治療は通常、アデノイドが小さくなるのを待つ経過観察です。
喉の炎症などは適切な治療で治すことができます。
しかし、炎症が慢性化するなど症状が重い場合には、肥大したアデノイドを切除することもあります。
肥大したアデノイドが原因で呼吸困難になることもあります。
大人だけでなく、子どものいびきも危険であるという認識が必要です。
子どもがいびきが続く場合には、病院で一度診察して適切な処置を受けるように心がけてください。

睡眠時無呼吸症候群が原因で起こる事故

2003年2月、山陽新幹線「ひかり」で運転手の居眠り運転による、岡山駅での緊急停止が起こりました。
居眠り運転のまま約8分間走行してATC(自動停止装置)により緊急停車し、幸い、乗客に被害はありませんでした。
この運転士は睡眠時無呼吸症候群の疑いのあるということで、この事故をきっかけに睡眠時無呼吸症候群ということばが広く知られるようになりました。

2004年には全日空の機長が居眠りしたまま操縦するという事故がありました。
自動操縦で運行に支障はなく、乗客には被害はありませんでしたが、ひとつ間違えると大惨事を引き起こしかねない事故でした。

2008年には、名古屋で赤信号を無視したトレーラーによって男性がはねられ死亡する事故が起きました。
この運転手もまた、睡眠時無呼吸症候群の可能性のあることが判明しています。

これ以外にも、スリーマイル原発事故、チェルノブイリ原発事故、スペースシャトルの爆発事故も睡眠時無呼吸症候群が原因という可能性も指摘されています。
睡眠時無呼吸症候群のよる日中の強い眠気は恐ろしい事故を引き起こす可能性を持っているのです。
睡眠時無呼吸症候群を持つ人の交通事故を起こす可能性は、一般の人の2倍以上だと言われています。
重大な事故を起こして、あなたや家族、友人そして無関係な人の命を奪ってしまうことがないように睡眠時無呼吸症候群をしっかり治療することが必要なのです。

睡眠時無呼吸症候群の治療は単にいびきを治療するだけではありません。
大切な人の命をも守るためにもいびきに気付いたら適切な治療をしてください。

いびきと睡眠時無呼吸症候群(SAS)

いびきは上気道が狭くなることで起こるので、呼吸や血液の循環に影響を与えます。
その中で最も怖いのが、いびきをかいている人の中には睡眠中に呼吸が止まってしまう人が多くいることです。
これが睡眠時無呼吸症候群(SAS)です。
睡眠時無呼吸症候群は、眠っている時に10秒以上の無呼吸状態が1時間に5回以上、1晩(=7時間)で30回以上続く状態を指します。
目が覚めている時には、無呼吸は起こりません。

無呼吸となると息が苦しくなります。
息が苦しくなると脳の命令で体全体が息をしようと反応します。
なんとか無呼吸状態を脱して息をする時に、うるさいいびきとなって響き渡るのです。
睡眠時に無呼吸状態が何度も続くので、酸欠状態となり血圧が上昇します。
睡眠時に何度も苦しい呼吸をするので、当然深い睡眠を取ることができません。
このような睡眠中の状態が、日中起きている時に影響を及ぼします。

しっかり睡眠がとれていないので、睡眠時間が長くても疲労感が抜けません。
集中力を欠いて日常生活や仕事にも差し支えます。
また、日中強い眠気が襲ってきて、会議中や車の運転中に眠ってしまうことがあります。
血液に酸素が充分に行き渡らないので、心筋梗塞などを起こすこともあります。
このように、睡眠時無呼吸症候群は自分自身や周りの人の生命にも危険が及ぶ可能性があるのです。

睡眠中に頻繁に呼吸が止まってしまう人は、ただちに病院に行って適切な治療を受けましょう。
睡眠時無呼吸症候群の治療はいびきを治すだけでなく、自分自身や家族、周りの人の生活を守るためにも必要なことなのです。

サイトMENU

Copyright (C) いびきの治療の基礎知識. All Rights Reserved.